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ありがとう16周年!

23 時間前
読了時間: 7分

更新日:7 時間前


なんと当店は9月8日に16周年を迎えました。

日頃のご愛顧に心より感謝申し上げます。


お客様をはじめ、大家さんやご近所の皆様、取引先の皆様、友人知人に親族、関わってくださるすべての皆様のおかげでございます。


まさかこんなに続けられるとは思ってませんでしたが、これからも地道に淡々とパンを焼いて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。


自分の力量不足の不安で続けられるんだろうか、、から

社会状況が不安定すぎて続けられるんだろうか、、の方に強く変化しておりますが、

「長くやるということはいろいろあるってことだよ。思い通りにいくことなんてないんだから憂いても仕方なしだよ~。はっはっは。」

と商売の先輩に笑われると、そっかあ~そういうものかあ~と。

あああ~ポジティブになりた~い。




さて、9月ですから秋らしいメニューが出ております。

和栗あんたっぷりのあんパン。

お饅頭みたいなパンです。


滑らかな黄色いクリームたっぷりのこちらはキャラメルパンプキンクリームパン。

あとはいちじくの時期なのですが、農家さんに連絡したところ、水没はしていないが雨が多すぎるため今週はいちじくが水っぽくなっていて状態がよろしくないからやめたほうが良いとのことで、今週の仕入れは見送っています。

でも来週も雨が続く予報になっている、、長い、、

気温もなんだかおかしいし、、

そういうわけで、いちじくジャムの販売時期はまだ未定です。


今年は取引先を増やしてワインも充実しておりますし、皆様の食欲の秋を満たしてまいりたいと思います。

胃腸の調子を万全にしていただき、皆様のご来店お待ちしております!






雑記


節目に改めて考えておりました。

わたしがやっている食べ物を作って人に売ること。

それが人の口に入りその人の体の一部になること。


そもそも食べるって一体なに?どういうこと?

(時折2歳児ばりのなぜなに期みたいなこと言い出すのでいままでたくさんの大人たちに鬱陶しがられ続けてきた人間です)


そこでこちらの食にまつわる本を読んでみました。

左の「火の賜物」は、

ヒトと動物の違いは火を使うようになったこと。

火を通した食物が生の食物よりも栄養が効率よく吸収できるようになったこと。

料理によって食事時間と消化吸収時間が短縮され消化の労力が減ることで脳の拡大に貢献したこと。

など、なんとなく学生時代に習うようなことも書かれておりますが、この本の肝はそこではありませんでした。


”料理とは社会的に重要なものであり、料理によって性別役割分業が強化され、家父長制という男性にとっては文化的優位に、女性にとっては従属的な役割を担わせる制度を作り出し永続化した。”


食という生きる根幹を支える料理は家父長制の構造で確立されてきたのか。

そりゃ根深い。

家父長制が女性だけでなく男性にも生きにくい構造であるとフェミニストの学者たちが論じようが一切揺らがない謎に強固な理由が理解できた。

納得はしかねるけど。


この著者は、

「(料理を女性に任せることで)日中好きな活動に専念でき、とりわけ男性にとって好都合。」

「これは決して美しい図式ではない。」

などと言い、よくは思ってないことが窺える。

しかしそうやって男性優位社会に限らない多くの社会が大なり小なりその構造の下に置かれヒトは生きてきたのは事実であると述べている。


昔のように料理をして家で待つ女性が外敵に襲われ食料を奪われる心配がなくなった現在、女性は男性と婚姻関係を結び生活を守ってもらわなければ生存できないことはほぼ無い。

しかし、いまだに多くの男性はその構造が崩れたら生存が脅かされるものと本気で感じているのではないか(意識的か無意識かはわからないが本能的にそうなのでは)。

女性側も男性に守られなければ女性だけで生きていくことは困難で、なぜならば男性より女性が劣っている存在だから仕方がないことだと思わされているところがある。

構造と制度の問題なのに。

女性の権利と独立と賃金を男性と同等に与えたら人類て滅亡すると思ってんのかな、、思ってそうでこわい、、


食べるとはなにかという問いが、ヒトとは、社会とは一体なんなんだ、、と読んでますます混迷してしまった。



右のもう一冊「日本人の食性」はどの時代のどの地域のヒトがどのような食べ物をどの割合で食していたかをヒトの骨や髪の毛に含まれる重窒素と重炭素の数値の分析から読み解くという研究の結果です。


食べ物が体を作るとはいうけれど、食べ物がヒトの体に刻まれることは歴史の一部になるのだ。

分析によってそのヒトが生きていた時代に集団でどんな社会を築き、誰と交流し、どんな生活をしていたか、気候や植物や動物の分布までも想像が可能になる。

わたしは事件の分析捜査の話とかも興味深く見たり読んだりするのですが、現場に残された血痕や皮膚、靴跡などほんの一部の手がかりから犯人像を立ち上げるのと似てるなと思いました。


普段の食べ物は人間個人のすべてを表すものとなる。

パンを多く食べるお客様にはⅽ3型植物と雑穀が好きならⅽ4型植物の数値が骨にも髪にも刻まれているのである。

うちのパンも影響すると思うとちょっとこわくもあるけど。すごいことだ。


この本では最後に、日本人の食性を紐解いたことによってわかる日本人の食に対する姿勢に問題提起がなされています。


日本は自然に恵まれていたがために森と海に任せ、自然がすべてを浄化してくれるという意識が強く、近代においても工場排水や都市下水も水に流してしまえば無害にできる、海がすべて浄化してくれる、という海に返す発想があると著者は述べます。

確かにそういう考えが公害という多大な被害をもたらす結果を起こしてきた。

過去には水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病、現在はPFASが全国的に問題になっていますし、福島原発の処理水の海洋放出もね。


そしてズシっときたところを引用させていただくと、

「日本人には現代でも、物事を完全に制御するよりも、ある部分を自然の仕組みに託して、いつかよい結果となって返されてくることを期待する気持ちが強く働いているのではないだろうか。

わたしたちは縄文時代から、資源の管理を責任をもってやり遂げてきた経験があまりにないのである。」(中略あり)

確かに、、


「現代日本で、縄文の森の役割を果たしているのは、貿易という制度を借りた海外の生態系にほかならない。

食料となる資源が、どこでどのように生産されているか、現地の自然と人間にどんな問題があるのか、まったく知ることがなくても、円を払えばものは手に入る。

縄文人は、森に恐れや敬いを抱いていたが、現代人は、貿易はコントロールできるものと考えている。

すでに縄文時代の森の権威を奪い去った領域に、踏み込んでしまっているのである。

もしそうなら、ややこしい問題を誰かがやってくれると、他人任せにするのではなく、自ら引き受ける覚悟をしなければならないだろう。」(中略あり)

鋭い。


現政権による、食料自給率100%を目指してフードテック、アグリテック、植物工場への投資の推進などという発言もまさに、自然と農業従事者への敬意も想像もなく、なんでも金でコントロールできるという傲慢さの表れで、成長のスイッチを押して押して押しまくって経済成長できる発言も、選挙のやり方も、全部繋がっていると思う。


この異常気象による豪雨災害が毎日のように全国的に続いている現在、この気候変動の原因を根本的にどうにかしなくてはという声が、行動が、国のトップからまったく上がらないのは(それどころかわが身の保身SNS投稿には無駄に時間使ってる)都合の悪いことは自然任せの他責思考という日本の悪しき伝統芸を見事に受け継がれ体現していらっしゃるのかもしれない。そういう部分での保守なのかあ。


はて、結局食べるってなんでしょう?

余計分からなくなってしまったのでした。



ああ~ままならないな~~という気持ちになった時に聴くと良い奇妙礼太郎(注:何も解決はしない)。

パンじゃなくて蕎麦が食べたくなってしまうかもしれないMVで〆





 
 
 

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