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いちご、そして食パンこだわりのはなし

  • bongout7
  • 2024年5月2日
  • 読了時間: 6分

更新日:2024年5月3日


ここ最近の定休日が雨に見舞われまくっていて、もうそろそろわたしカビちゃうんじゃないか。

そんな悪天候の合間の貴重な晴れ間。

なんだかバグダットカフェが観たくなるな~(もう7~8回は観ているがいつ観ても最高)

なんて気もそぞろに車は東へ東へ。


いちごシーズン終わりで間もなく閉めるハウスで最後のいちご摘みをしてまいりました。

浅野さんからは「ジャングル状態だから」と言われていたハウス内。

もさもさに葉っぱが茂っておりました。

葉で塞がれつつある進路を分け入り、あついあついかゆいかゆい言いながら収穫。


熟れ熟れだし気温が高いので収穫したそばからぐじゅぐじゅになってしまいます。

いちご繊細過ぎる。

農家さんはほんと大変だ。


久々に埴輪博物館も寄りたかったけど、埴輪を見ている場合じゃない。

一刻も早くいちごの処理をせねば。

といちごファーストで早々に帰路に着きました。


下処理し、ひと晩お砂糖に漬けて水分がにじみ出たいちご。

ぐつぐつと火を通していきます。

シーズン終わりのいちごとはいえ香りは強く、我はいちごである!と高らかに主張しておりました。


ほぼ一日いちごの蒸気を浴び続けると私自体も全身にいちごの香りが染みついてしまいます。


仕事を終え外に出て人とすれ違う時などに

「え、なにこのオバサンからすごい甘いにおいする、、ティーンが使うようないちごの香り付きリップとかボディクリームとか使ってんのかな、、」

などと思われたらちょっとやだなーなどと頭をよぎるのですが、

「オバサンがいちごとかチェリーのあまあまな香りの化粧品使ってぷんぷん匂わせて何が悪いの。本人が好きならいいじゃん!」

と自然に思えていない自分の中に存在する年齢差別的な固定観念や偏見で自己嫌悪に至りもし、、

そんなこんなでいちごジャムはいい具合に煮え大量に完成しました。


出来立てはこのような鮮やかな赤ですが、色素や変色を防止するようなものなどは一切添加しておりませんので封を開けていなくても徐々に色がくすんでまいります。

そういうものであって味に問題はありません。


”ある作用をするように決定された物は神から必然的にそう決定されたのである。そして神から決定されない物は自己自身を作用するように決定することができない。(岩波文庫 スピノザ エチカ 第一部 定理二十六より)”


だからいちごも色が変わるのは神から必然的にそう決定されたことである。ということになります。(神ってなんなの、、エチカ難しい、、)

ご了承くださいませ。




雑記


さて、ジャムを塗るといえば食パン。

食パンにはこだわりを持っている方がたくさんいらっしゃいます。

いやいやなんでもいいよ。と思った方も意識していないだけで絶対に好きな食パン好きな厚み好きな食べ方があるのです。


例えば「サンドイッチ用で」というスライスの注文。


サンドイッチ用のパンの厚みのイメージが10枚切りの方もいれば、8枚切りの方もいます。


パンがメインだから6枚切りがサンドイッチ用に最適だという方もいます。


先日は7枚切りが理想的な厚さかもしれないからやってみてくれと注文された方もいます。


5枚切りを半分に切って切り口側面に切り込みを入れピタパンみたいなポケット状(いなり寿司状ともいう)にするのが我が家のサンドイッチの定番という方もいます。



トースト用にしても3枚切り、4枚切り、5枚切り、6枚切り、8枚切りと自分にとってのベストの厚みが違います。


おいしいと思うのは4枚切りなのだが、もう歳で胃が辛いから6枚切りという方もいます。

私も心と体が合致しないそんな歳がやってくるんだなあ(もうやってき始めてはいる)。


薄ければ薄いほど最高って方もいます。



また、耳を落としてから〇枚切りにスライスをするのか

耳を落とさずに全体を〇等分にスライスするのか

という超重要なこだわりもあります。

我々は耳をどう食べるのか問題ですね。


これは多くの人間が数日かけても結論に到達しない多様な議論を展開できるほどの深淵な問題でしょう。


クックパッドで「パンの耳」と検索をかけるとレシピが4025品(2024 5/2現在)も出てくるくらいですから、パンの耳に一家言持っている人間がどれほどたくさんこの世に存在するか想像に難くありません。



パン屋の面白いところってこういうところなんですよね。

もちろん最大限においしく焼き上げたパンを販売するのですけれども完成品だが完成してない余地がある。


そこから先の食べ方はお客様次第でいかようにもできる。

そのまま食べるよりもさらに美味しくもできる。


ケーキ屋にはこういうの無いんですよ。

商品になった段階で完成しきっている完璧品なのでアレンジしようがない。


あるのはショートケーキのいちごを先に食べるか後に食べるかくらいの問題であって、ショートケーキをトースターで焼くか生で食べるか紅茶で煮てみるかとかそんなことには絶対ならない。


コーヒー豆屋にはお客様それぞれのこだわりの挽き方淹れ方があるので食パンのこだわりに近いものがありますね。

だからわたしはコーヒーにも惹かれるのかもしれない。


自分の作ったパンはこの厚みでこの焼き具合でこうやって食べるのが真の正しい一番おいしい食べ方で、これ以外の食べ方をされたら真においしく食べることはできないので不本意だ!この食べ方以外で食べておきながら味の評価をするな!うちのパンを食べる時は無駄話もなく集中してじっくり味わうべきだ!とか、たまにね、いますけどね、そういう俺のやり方以外は絶対に許さない系完璧主義押し付け職人も(すごいイヤミになっちゃった)。


好きに食ったらいいじゃん。と私は思うので、うちのパンが蒸されようが、煮込まれようが、ぞんざいに扱われるのでなければ、その人がおいしいという食べ方で食べてもらえればいいし、その食べ方のこだわりを知り人の味覚の無限の可能性を感じるのは楽しい。



GWどこにも行く予定がないという方は、1日くらい棒に振って自分にとっての食パンのベストな厚みについて考えてみるというのはどうでしょうか。

くだらないことを長々とくどくどと考える時間があるのはとても贅沢~。

無駄なようで無駄ではない無駄は最高。



前回も書きましたのでしつこいですが、当店はGW中3・4・5・6日全部いつも通り営業しております。

どうぞどうぞよろしくお願い致します。



〆はお天気に恵まれた長い休日に最高なこちらを。

暑くなるとブラジルのゆるりとした音がどうして耳にこんなにも心地よいものであろうか。



 
 
 

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