やめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはある
- bongout7
- 2022年9月8日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年9月9日
当店は2010年の9月8日に開店いたしまして、おかげさまで12周年を迎えることができました。
全てのお客様に心より感謝申し上げます。
5周年を超えたあたりから一年の経過が早すぎて、感慨深さの深度も浅くなりつつありますが、パン屋を生業としてやっとこ生きている身としては今一度気を引き締めて日々精進してまいりたい所存です。

今回は雑記が長めです。
このような趣味の延長みたいに見える仕事に就きますと、
「好きなことを仕事にしていて良い御身分ですね。」
などと言われることが多々ありますが(そんな嫌な言い方じゃないけど)、
他人からは「好きなことをして生きているように見える人」というのは、実のところは「それしかできることが無い人」であると思います。
いや、器用にいろいろできる人もいるけども。
私は好きなことを仕事にしようとして好きなことが心底大嫌いになった経験があるのですが、それから数々の遠回りを経て、今となってはその大嫌いになった仕事に類似した職業で生計を立てています。
それが12年も続いているのは、結局私には「これしかできることが無かった」からなんだなという感じです。
もちろん買ってくださるお客様がいてくださるからこそ続けられているので、こんな能力の低い人間でも生かせてもらっているんだなーと、お客様に恵まれたことを感謝するばかり。
以下、村上春樹著「走ることについて語るときに僕の語ること」より引用
”日々走ることは僕にとっての生命線のようなもので、忙しいからといって手を抜いたり、やめたりするわけにはいかない。
もし忙しいからというだけで走るのをやめたら、間違いなく一生走れなくなってしまう。
走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラックいっぱいぶんはあるからだ。
僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。
暇をみつけては、せっせとくまなく磨き続けること。”
「走ること」を「パンを焼くこと」に置き換えて読んでみる。
私の日々はまさにこれ!と思わず膝を打ったのでした。
みなさまも「走ること」の部分を別のそれぞれの事柄に置き換えてみましょう。
そして膝を打ちましょう。
小麦粉重たいし、
延々捏ねて分割して成型しての繰り返しだし、
洗い物も多いし、
やけども多いし、
足もむくむし、
計算苦手だし、
愛想もないし、
商売向いてないし、
もっと寝たいし、
時間がないし、
お金もないし、
などなど、、
やめるための理由はトラックいっぱいとまでいかなくても、45リットルのゴミ袋をパンパンにする程度は確実にあって。
「ほんの少しの理由」がそれらを凌駕し続けられるように磨きがんばりまーす。
12年前より良くなってる?
きっとすこしずつ良くなってる。はず
という事で〆はこちら





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