シン・カンパーニュ
- bongout7
- 2023年3月26日
- 読了時間: 4分
今年の3月は気温が高いです(特に厨房内)。
3月にカンパーニュに使っている自家製酵母がこんなに元気だったことは記憶にない。

ぶくぶくと勢いよくガスが発生しています。
カンパーニュは粉の種類と配合が変わりました。
メーカーが販売する粉や雑穀類が変わったためです。

小麦粉と、ライ麦粉と、オートミールと、小麦全粒粉と、小麦胚芽を混ぜ合わせました。
実に素朴な味わいです。

見た目は全然変わっておりません。
が、

切ってみると違いますね。
カリカリにこんがり焼くと香ばしくて良いですよ。
何かしら材料を変えると、
「前の方が良かった」
と必ず言われちゃうんですけどね。
食べ慣れたものをおいしいと思うものなので、致し方なし!
品質を落としたとか手を抜いたということはなく、変わらぬ手をかけ、新たな心で焼いていると強く申し上げておきたい!
どうぞよろしくお願い致します。
雑記
晴れた空が恋しいですね。

いつぞやのミモザ。
お花が世界を彩る季節に雨雨雨。
うんざり。
しかし雨の日には読書が捗ります。
先週、鴻上尚史×ブレイディみかこ共著書の「なんとかならない時代の幸福論」を読みまして、鼻歌歌って歩いてたらバナナの皮を踏んづけてすっ転んだ。みたいな気持ちになりました。
道の真ん中にバナナの皮が落ちてるのにも気が付かなかったんですか?
それとも、落ちているわけがないと決めつけて足元を見もしなかったんですか?
まさか、落ちているのを認識していたのに危機感もなく踏みつけたんですか?
そもそもそのバナナの皮、誰が捨てたんでしょうね?
と二人の対談はこのように私に畳みかけてくるようでした。 (全て比喩)
もうこうなったらさらにブレイディみかこ氏にハリセンで頭をすこーんと叩いてもらうしか!と思って次に読んだのがこちら。

良い。この表紙。
イギリスの階級社会の底辺で生きているという彼女の力強くキレのある文章が爽快です。
2015年前後あたりのイギリスでの生活で書かれたエッセイなのですが、ところどころに、おやおやこれはこの先の日本の社会が踏む轍なのか?と思わせるような既視感。
実は私、昔の80年代90年代UKロックは好きだがここ十数年はかっこよくても巧くてもきれいに収まってるバンドばかりでつまらんなという思いを心の内に留めておりました。
あ~、なりたくなかった「私の若い頃はよかったOasisがいてRosesがいてBlurが~」云々などとその時代に生まれていない若者にリアルタイムで聴いていたマウントをする懐古主義ババアになっちまったのか。
いやだ~
これはあかんとUKロックの新しいバンドも積極的に耳を通しているけど、胸打たれるものがなかなかない。
最近ロックの復権と言われて人気急上昇のMåneskinはイタリアのバンドだし。
UKロックが好きなんですと口に出すことを躊躇うようになって早十数年。
わたしが年を取ったからなのか(好みがジャズ寄りにはなっている)?
UKロックが変わったのか?
このブレイディみかこ著「オンガクハセイジデアル」によると、イギリスの政権交代とそれによる社会状況の変化にUK音楽界も影響されているようでした。
わたしが懐古主義ババアになってしまったわけではないらしい(ゼロじゃないけど)。
興味深い。
同じように日本の音楽界も政治、経済、世相の観点からここ50年ほどの変化を読み解くとおもしろそうである。
どうしてこんなに未来に希望の持てないことばかりが次々と起こるのだろう(日本の政治)。
と思う事が多い混沌さが増すばかりのここ数年。
ですが、ブレイディみかこ氏はイギリスの社会が左に右に行きつ戻りつしっちゃかめっちゃかな状況であると記しながらも、
「面白い時代に生きているのかもしれない。」だとか、
「Brit Gritという好きな言葉がある。英国人の逆境を生き抜く気概を意味するこの言葉はUKの真骨頂である。」などと困難の中に楽しみも見出しており、
また、「わたしが日々煩悶し憂国しているかというと、別にそんなことはない。毎日食って飲んで寝て、働いているだけだ。淡々といつものように生きる人間の背後にある風景や時代は変わる。が、庶民は生きるだけだ。」とも。
パッと視界が開けたようなそんな感覚になりました。
〆は本の中にも引用されていたこちらです。
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