一進一退の茶色いパン普及計画
- bongout7
- 9月24日
- 読了時間: 7分
更新日:10月2日
待ってましたのこの気候。

秋ですね。

秋ですよ。

嗚呼、秋。
まだ気温は高めなのですが、あの肌に纏わりつくような湿度ではなくなり歓喜しています。
ひとまずシナモンラスクを再開しました。

メレンゲはもうしばらく、フロランタンはさらにもうしばらくお待ちください。
さて、全粒粉やライ麦など雑穀を使ったいわゆる茶色いパンが個人的には好きなのですが、悲しいかな売れない。
風向きが変わったのはコロナ禍過ぎたあたりから。
カンパーニュやブランブレッドを定期的に購入してくださる方がじわっと増えてきて、不定期で焼くライ麦パンも好まれ始め、角食パンから転向する方もちらほらおり、これは、、いけるのでは?とサワー種を使ったライ麦パンを始めたのが去年の5月のこと。
詳細はこちらをお読みいただくとしまして、
それからこちらをお読みいただくと今年に入ってより茶色度を増す形に振り切ってみた様子がわかります。
で、結果としてサワー種および雑穀比率が50%と高いパンの需要増はやはりハードルが高かった。
わたしの技量不足、経営センスのなさもあり反省。
せっかく育ってきた茶色いパン需要に対して、いきなり超クセ強な方向に飛びすぎたのが悪かった。
売りたいものが売れるわけではない。
そもそもわたし自身が多くの一般的な人とあらゆる感覚がずれていることを自認しているのに、なんでサワー種がいけると思っちゃったんだろなあ、、
好んでくださった方もいるので申し訳ないのですが、、
しかしなぜかサワー種のブログ記事がダントツで読まれ続けているんですが、、
ということで、しばらくまたサワー種は封印いたします。
また折を見て挑戦していきたいという気持ちを残しつつ。
いきなり大股で3歩進んだみたいなパンではなく、小股で1歩1歩なパンを。
定番のブランブレッドは全粒粉20%、不定期のライ麦パンはライ麦30%でして、この程度が角食パンとそれほど変わらずしっとりふんわり感もあり食べやすい。
黒パンに使っていた大麦麦芽主体の雑穀ミックスを20%でイースト発酵のパンを焼いてみました。

しっとりふんわりして大麦麦芽の香ばしさがくどくない程度でちょうどよい。
黒パンと全然違うよー!受け入れられやすさが。
茶色いパン入門初級は全粒粉20%のブランブレッドですが、その次くらいに食べやすいかな。
しばしこういう感じで引き続き模索を続けつつ茶色いパン普及に励みたいと思います。
ここで重要なお知らせです。
久々にお正月以外の連休をいただきます。
10月18日(日)から10月22日(水)までです。
どうかわたしにリフレッシュさせてください!
休む分だけ売り上げは無くなる日銭を稼ぐ個人事業主。
所得マイナスは覚悟で休むことを選んだんです!
どうぞよろしくお願いします!
雑記
先週はこのような本を読んでおりました。

まず右のスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の著書。
ハンセン氏が言うには我々は現在めちゃくちゃ便利な世の中で生きているが狩猟採集民のころと体はほぼ変わらないのだという。
それを脳の仕組み働きから丁寧に紐解いた「ストレス脳」という著作があり、この「運動脳」はストレス脳の中で脳を成長させる効果があるのは運動だと記した部分にぐっとフォーカスした本です。
狩猟採集民と現代人の大きな違いは運動量です。
そりゃそうだ。
獲物を探して追いかけなくても近所のスーパーに行けばいいし、なんなら宅配もある。
いつ食べ物にありつけるか分からないでエネルギーを温存する必要も、食べ物があるうちに食べ貯める必要もないのに、家でゴロゴロしておなか一杯食べちゃう。
一日30分くらいの有酸素運動を週に3回することを習慣化させるとお金もかからず脳が成長するいいサイクルになって体も気持ちも快く生きられますよ。と超ざっくりいうとそういうことが書かれていました。
体感としてすごくよくわかるのです。
わたしは高校生のころからずっと定期的に泳いでいたし、コロナ禍でプールが使いにくくなってからはそこら辺を適当に走っているのですが、運動したほうが気持ちがいいのです心身ともに。
いやな気持ちの時も運動したらすっきりしたり(解決はしないんだが)、考えがまとまったり。
時間がなかったりやる気が起きず運動してない期間が続くと頭が動かないというかもやもやと滞っている感じがしてネガティブさが増す気がする(基本ネガティブなのだけど)。
ここまでの中年の大人になると定期的に運動しているって偉い・すごーい・頑張ってるね!みたいな反応とか、よく続きますよね~(やっぱ変わり者)!みたいな反応とか、ダイエットだの筋肉強化だのなりたい自分の体型という目的がなきゃやらないものという決めつけ。
運動が習慣化している人からしたら逆なんですよ。
運動しないで心身辛くないですか?大丈夫ですか?生きるの疲れませんか?という感じだし、ダイエット目的達成のためだったら習慣として続かない。
痩せるとかそういうんじゃなく運動がもたらすのはウェルビーイングですよ(なんかちょっとカタカナ語は偉そうなのでほかに語はないのかと探したのですがこれが一番端的なのです)。
WHOが定義している「肉体的、精神的、社会的に満たされた良好な状態である」それがウェルビーイング。
ハッピーに生きるために必要なのはたくさんのお金でも名声でも権力でもSNSの多くのフォロワー数でもなく、ひとりで黙々とする有酸素運動です。
わたしは小中高と体育という授業科目が大嫌いでした。
プール以外はほんともう勘弁してくれよって思ってた。
運動はできる人とできない人がいて、できない人はただただ辛いだけって思ってた(体育という教科のカリキュラムのせいなのか先生のせいなのかわからんが一定数の運動嫌い人間を作ったことは少なくない人間の生活の質を下げた大きな罪だと思う)。
運動といえば呼吸もセットで大事なもの。
たまたま目についたジェームズ・ネスター著「BREATH 呼吸の化学」。
著者が体を張ってあらゆる呼吸を体験した記録が面白い。
鼻から呼吸をすることの大事さ、口呼吸による弊害、なぜ現代人が呼吸が下手になったのか。
なんとここにも狩猟採集民だったころと現代人の生活の違いが現代人を苦しめているということが書かれていたのでした。
何が違うか。
現代人は狩猟採集民より食べ物をよく噛んでいない。
狩猟採集民は柔らかく調理するなんてことしていないのでお肉を1~2時間とかくちゃくちゃやって食べていたのでした。
そりゃ全然違うわ。
そんなに噛まない、さすがにイカでも貝ひもでも。
育児や仕事で忙しい人は5分で食事を食べちゃったりするもんね。
もはや流し込みで噛んでない。
そのせいで顎が細くなり口が小さくなり呼吸がしにくくなっている要因のひとつなのだとのこと。
ふーん。
え、つまりやっぱりサワー種の雑穀50%以上のぎゅっとつまったパンが人類のウェルビーイングに必要なのでは、、!?
でも好めずいやいや辛い思いして好きになれないのに体に脳に良いからっていっぱい噛んで食べて長生きできたとして果たしてそれはその人にとって幸せなのだろうか?
人間すべてが長く生きることを是として生き方を望んで選択する生き物ならば、プリンはあんなに液体化はしなかったし売れていないはずだ。
黒パンは超売れていたはずだし、食べ続けているお客様はきっと呼吸がスムーズでいびきどころか無呼吸症候群など無縁のはずだ。
決してそんなことはなかった。
アンデシュ・ハンセン氏が言うには人間の脳は【幸せになること】を目的としてないという。
人間の(動物の)脳は【生き延びること】を目的をとして機能しているのだという。
脳と心ってなんで乖離してんだろ。
ウェルビーイングって何なんだろう。
〆はこちらの音楽で。
こういう歌を聴くと思いかえす夕飯の味というものは、噛む回数が多かろうが少なかろうがそれぞれの固有の思い出に比べたら人類の存続という大テーマなんてどうでもよいと思ってしまう。
遺伝子よりストーリー性に惹かれるからいろいろ間違えるんだろうけど。
それもまた人間なのでは。
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