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旅の記憶が詰まったルバーブジャム

  • bongout7
  • 10月22日
  • 読了時間: 5分

更新日:11月23日



先週末、定休日以外に少々お休みをいただきました。

お知らせが行き届かずご来店されてしまったお客様がいらしたら申し訳ありません。

おかげさまで店主は精神衛生の向上と文化的欲求を満たしてまいりました。

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富士山を望む朝霧高原ふもとっぱら。

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3日間概ね小雨の天気の中でわずかな一瞬の晴れ間に喜ぶとき、太陽に対する人間の原始的な心に触れるのでした。

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そんな自然の中でキャンプと音楽三昧。

7年ぶりの朝霧ジャムは渋く硬派な職人的アーティストが揃いわたし好みで最高でした。


帰宅の日も小雨にやきもきしながらテントを撤収して、2日間音の振動を感じ続けた体で耳の奥にある余韻に後ろ髪を引かれつつ寄り道しながらの帰路。

まさかの季節外れのあの子に遭遇しました。

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え、ルバーブ!?

あのあのあのすみませーーん!ここってクレジットカード使えますか?

と、ありったけのルバーブを抱えながら店員さんに聞いているわたしがいました。


2.5㎏のルバーブと、一升瓶ワイン、そして大量の洗濯物を抱えて無事帰宅。


緑の鮮やかなルバーブをざくざくと刻みます。

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グラニュー糖をまぶして放置し水分を出します。


鍋でぐつぐつ煮ると繊維が柔らかくほどけていきます。

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緑のルバーブは火入れすると表現しがたい色味になりました。

素朴で実直、ナチュラルカラー、大地の色、丁寧な暮らし。そんなイメージでしょうか。

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わたしの7年ぶりの旅の喜びが詰まった、期せずして出来上がった甘酸っぱいルバーブジャム。

どうぞよろしくお願いいたします。



帰ってきたら急に肌寒い空気になったので冬メニューの仕込みを始めました。

大変お待たせしました。


まずフロランタン。

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そしてメレンゲ。

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クロワッサンもぼちぼち。

食欲の秋をぎゅんぎゅん加速させていただけると幸いです。






雑記


コロナ禍に生来の面倒くさがりが相まって出不精ここに極まれりというここ数年。

趣味の読書数だけが2桁3桁とあほみたいに積みあがっていくここ数年。


書を捨てよ町へ出よう

とかいう青臭い年齢でもないし、行ったのは町じゃなくて山の中でした。


いやあ、楽しかったですねキャンプインフェスの朝霧ジャム。


サブスクでありとあらゆる音楽が手軽に聴けることに充分満足してしまって、音楽を生で聴くこと(しかも野外で)の楽しみをすっかり忘れていました。


音が振動であることを、

耳よりも胸のあたりにずしんとくる重みを、

繰り返し聞いても変わらぬ音源とは違うその場だけの演奏と歌声があることを、

晴れや雨や暑さ寒さや景色が演出にもなることを、

ライブで聴いた曲を家に帰ってから音源で聴き返すと、ライブの情景やその場の空気が蘇って重なるように聴こえるようになることを。


欲を言えばやはり多少は晴れていてほしかった。

連日小雨はちょっとね。


朝霧ジャムはステージの周りに飲食店だけでなく、洋服や雑貨、手作り体験などのブースも充実していてそれがまた楽しい。


かわいい車で出店している本屋さんで茶封筒に入った中身のわからない文庫本が売られていました。

一応袋にはざっくりした一文が書かれており、おみくじ要素もあって面白そうだったので一冊購入しました。


やはり書も捨てないし町にも行かないあまのじゃく。


30種類ほど並ぶ茶封筒の中でじっくり眺めてわたしが選んだものに書かれていたのは「安心ソファ」。

そう、ほしいのは人をだめにするソファじゃなくて(ポンコツ中年の自覚がありこれ以上ダメになったらおしまいなので)安心するソファだよねなんて思って迷わず手に取り勇ましくお金を払って、いざ開封。


なんと!

現れたのはよしもとばななのキッチンじゃないですかー!がっくり

もう何十年もの間に何十回も読み返してそらんじられるほどだし、つい先月も読み返してブログにも引用したばかりー!

安心ソファ、、なるほどあれか、、隠喩じゃなくてまんまやんけ、、


せっかくなら読んだことない本を引き当てたかったという気持ちと、わたしにとってキッチンはやっぱ特別なんだなあという運命感じる感慨深さに渦巻く心。

そんな複雑さを抱えながら観たZAZEN BOYSはリハからすでにビリビリしていて、暗い光を放つ鋭利な日本刀を振り回しているような張り詰めた緊張下での研ぎ澄まされた4人の演奏に乗せて向井秀徳の放つ言葉。


ボールにいっぱいのポテトサラダが食いてえ!

ボールにいっぱいのポテトサラダが食いてえ!

ボールにいっぱいのポテトサラダが食いてえ!

ボ・オ・ルに!いっっぱい!の!ポテト!サラダ!が!食いてえ!!


この心ざわつく脳みそも混乱する複雑なバランス感覚!

微妙に違うんだけどなんだか自分の気持ちとリンクしてしまったのでした。


探したら茶封筒で文庫を売っていたこの本屋さんの記事がありました。



蚤の市とか各地のイベントにも出店している様子なので出会ったらぜひ皆様も一冊引き当ててみてはいかがでしょうか?



ちなみにこの引き当てたキッチンは、現在ブラック職場から解放され無職で、働き方模索中で、ひとりっ子で、この旅の頼もしい運転手で、登山ブーム以前からの登山ガチ勢なのに山ガールと言われミーハーと思われることがクッソむかつくと言うアウトドアマスターのかわいいかわいい友人にピッタリなのでは?と思って贈りました。


朝霧ジャムの一番のお目当てだったANNIE&THE CALDWELLS。

血肉に染み付いた音楽が全身の毛穴から溢れ出しているような圧倒的な迫力の歌唱。

小雨なんて吹き飛ばすような生命力に、強い美しさに、惚れ惚れ。

おおお!おおおお!おおおおおおお!!!と終始打ち震えっぱなしだったのでした。



 
 
 

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