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我が店のお会計改革

  • bongout7
  • 2023年11月13日
  • 読了時間: 4分

更新日:2023年11月16日


秋が短いので見逃さないように注意深く生きている今日この頃です。

ゆらゆらと風に揺れるススキは動物のしっぽのようです。


さて、ここ2か月ほどお会計改革としてリサーチにリサーチを重ねてまいりました。

生来面倒くさがりなものですから途中考えるのも面倒くさくなってしまったりもしました。


しかし、以前勤めていた合羽橋の問屋街へ2年ぶりに買い出しに行った時に見てしまったのです。

あんなに古い体質だった街の、現金主義だった街の、どの店のレジもレジもレジも見事にデジタル化していたのです。

それを見て観念いたしました。

やるならすべてやってしまえ。と

先週末からこのような支払い方法が一挙に導入されました。

お会計の際に現金以外の方はお支払い方法を宣言していただくようお願いいたします。

(一応、試験的導入のためしばらくやって考え直すこともあります)


これは利便性を高めるためのサービスと認識しているのですが、何に対して利便性を感じるかは人それぞれであると積み重ねたリサーチで分かりました。


リサーチをもとにした結果、当店が支払い方法を増やした第一目的は「選択肢を増やすことでお客様各々に合った決済サービスをお選びいただき決済方法ごとに得られる各種ポイントなどお得にお買い物ができるようにするため」です。


スムーズで素早いお会計が第一目的ではないので、以下の動画のようにめちゃくちゃ急いでる時は望むような対応をしかねる場合がございます。うちの前にバス停ないけど。

世の中簡単便利になるのは良いことだし、

衛生的にも良いだろうし、

このCMのようなうっかり時間がないよ~みたいなシーンもあるでしょう、

でもあまりに世の中コスパタイパとすべからく時短傾向というか、

なんでも瞬間的に完了させるのが素晴らしくてかっこよくて人類の進化☆万歳!みたいな風潮に対して、人生詰め込みすぎ急ぎすぎ余裕なさすぎじゃない?と私は疑問を抱いてしまいます。


その昔、都内オフィス街の地下鉄出入口真横のコンビニで早朝バイトをしていたことがあり、ピーク時は1分間に4~5人のお会計をさばき、6~8時の2時間で500人弱の対応をしていました。

(店長とどっちがより多くのお客様を正確にさばけるか対決をしていた。)

電車から降りてきた人々が波のようによせてはかえすの繰り返し。

店内はだれもが殺気立っていて、ちょっとお金を取り間違えたためロスしたほんの数秒でも蔑まれ舌打ちされ、3秒ぽっち遅れたくらいであなたの人生になにか大きな損でもあるんですか!?と逆ギレしたくなったものでした。


そうして半年ほど勤め悟ったのです。

人間は急ぎすぎると性格が悪くなるし、急いで良いことはない。


(暗に急かすなと言っているわけではない。)


という事でどうぞご利用くださいというお知らせでした。





雑記


チママンダさんの本を読んでました。

ナイジェリアのビアフラ戦争のお話です。

60年代前半と60年代後半の話を交互に展開する構成で、戦争前の生き生きとした日常風景が徐々に壊されて生活も心も崩れていく様子が描かれています。


個人の意志なんてまるで意味がなく残虐に容赦なく巻き込まれるしかない庶民の姿に心が冷えていくのを感じます。

そしてこれは60年代ナイジェリアだけの話ではなく、おそらく今までのどの時代のどの戦争でも行われていたこととほとんど違いはないのだろうという事も。


「私たちが死んだとき世界は沈黙していた」

この言葉が繰り返し出てくる度に現在も戦争中のウクライナとパレスチナの事が、ミャンマーとスーダンの内戦の事が、知らないだけでどこかで起きているであろう殺し合いが頭をよぎり胸がぐっと苦しくなるばかり。

しかし、今現在世界中でガザへの侵攻をやめろと声を上げているたくさんの人たちがいて世界は沈黙していない。

権力者たちが政治が沈黙している。

なぜ政治の思惑によって人の命が左右されなきゃいけないのか。

ほんとにすぐ攻撃をやめてほしい。


ナイジェリアの人たちの名前とか衣服とか生活様式などが馴染みがなさ過ぎて最初の方はいちいちgoogle検索したり想像力をフル稼働させたりしないとなかなか物語に入り込めなかったのですが、文章が理知的でからりとしていて読みやすく(訳も良いのでしょう)登場人物たちも魅力的なので(カイネネがかっこいい)そこそこ分厚いし字も細かいですがおすすめです。


〆は作中に何度も出てくるハイライフから

60年代にナイジェリアで流行っていたらしい音楽が突き抜けて明るくて軽くて、人間の面白さを感じずにはいられない。


 
 
 

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